17日のNHKクローズアップ現代を見られた方も多いと思いますが、前回このコラムで取り上げた朝日新聞の記事と同じ、日本の住まいの寒さについて放映されました。寒い住まいは心筋梗塞や脳梗塞など、寒さによる血圧上昇で循環器系疾患による事故が多いという内容です。日本の住まいのほとんどは断熱性能が不足してることに加え、局部暖房のため居室と廊下との温度差が大きくヒートショックを起こすリスクが高いそうです。

カーボンニュートラルが国策として掲げられる中、住宅の高断熱化はむしろそちらの切り口で進められているのですが、人の健康の方も同様にあるいはそれ以上に大事であることを認識させられる番組でした。

住宅の設計に30年以上携わってきましたが、断熱の考え方は大きく変わってきました。当時は天井や外壁にはせいぜい100mmのグラスウールを入れる程度。ガラスはアルミ枠にシングルが普通。断熱材のコストでいえば、確か当時は家1軒当たり30万円くらいだったかと。それが今は130万円は下らない状況ですし、サッシやガラスのコストも何倍にもなっています。木製建具の味わいや、美しさにとても魅力を感じていますが、これからは性能的に採用するのは難しい状況です。古くから建築は用・強・美のバランスと言われていますが、このところは用の中の断熱性側に重心が移っている感じです。

Together+豊山のモデルハウスは外気温が2,3度でも家の中はどこでもムラなく24℃前後をキープしています。クール暖というふく射冷暖房システムでエアコンのように風も音もなく、1か月の暖房費は6000円程度です。高気密・高断熱でUA値とかC値とかの数字を見てもピンとこないのが普通。設計者の私でも実感として良く分からなかったのが正直なところですが、モデルハウスを体験してその性能のすごさを感じました。

皆様もぜひモデルハウスの性能を実際に体験していただけたらと思う今日この頃です。